オーナーインタビュー

BESSの暮らしはどうですか?
「ログハウスでの暮らしってどんなもの?」「田舎暮らしに憧れているけど…」。木の家での暮らしを思い描いている方へ、BESSのログハウスや個性派住宅にお住まいのご家族の実例をご紹介します。新たな暮らしを始めた経緯、用途により異なるログハウスのスタイル、家づくりへの思いや暮らしぶりなど、ぜひ参考にしてください。

カントリーログハウス

自分たちが関わり手作りしながら暮らしているその実感がいい。

自分たちが関わり、手作りしながら暮らしている
その実感がいい。

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高い天井と大きな吹き抜けに面したベランダへの通路が気持ちよい。

この家に暮らして、もう7年半になろうとしている。相変わらず過ごしやすい家だと思う。そうYさん夫妻は話す。

ご主人は名古屋の、奥様は北海道の出身。ご主人は田舎暮らしがしたくて、14年前信州にIターンし、今の職場で同じくIターンしてきた奥様と知り合った。「二人とも人ごみが好きじゃないんです。ログハウスへのあこがれもありましたし」

結婚して一緒に暮らし始めてしばらく後、近くにログハウスの展示場があると知った。とりあえず見学に行ってみると、「やっぱりいいんですよ。これまでの日常とは別の空間というか、木の匂いがたまらない。これからこれが僕らの日常になったら素敵だなって」

そこからとんとん拍子で家づくりが始まった。デザインの好みや資金、我が家の将来設計等を総合的に考えて、タイプはカントリーにした。子供部屋を2部屋設けたこと、玄関をオープンにし過ぎないように設計したことを除けば、ほぼ標準仕様だ。「それだけ元々のプランがよかったんですね」

実際に暮らしてみると、展示場では分からなかったログハウスのよさが実感できた。まず結露がない。きっと木が呼吸しているからだ。クロスを張っていないからほこりっぽさも感じない。一般のフローリングだと冷たいのに、冬でも子どもたちは裸足だ。床に寝転がったって気持ちいい。家の中が落ち着くから、ずっと家にいたくなる。

それに夏は涼しく、冬はトイレでもお風呂でも寒い思いをしたことがない。薪ストーブと、仕切りの少ない開放的な間取りのおかげだろう。「掃除もしやすいですよ」とは奥様らしいコメント。

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五感を使って過ごしている感覚がある

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住み始めて3年目に設置した薪ストーブ。炉台のレンガはご主人の自作とは思えない程の出来映え。
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ご近所にも薪ストーブを使っているお宅があるから、声を掛け合って薪情報を交換している。そんなコミュニティも新鮮だった。山の中へ入って、チェーンソーで木も伐る。薪を手に入れる必然性があるからやることだけれど、こんなふうに身体を動かす気持ちよさは、都会じゃ味わえない。田舎暮らしの特権だ。

「ここに暮らすようになって、とにかく自分から動くことが多くなった」とご主人は言う。薪割りだけじゃなく、外壁を塗ったり、デッキの机やパソコンを置く棚をつくったり、薪ストーブを置くレンガを敷いたり、日曜大工をするようになったそうだ。色やデザインを考えるのも楽しい。

誰かが用意してくれた出来合いの家に住まわされているのではなく、自分たちが関わることで、家づくりが続いていくというか、家を成長させているというか、「自分たちの家」に暮らしているという実感がちゃんとある。何も不自由がないという意味で快適なのとは違う。五感を使って過ごしているという生の感覚が、この家にいるとあるのだ。それが心地いい。

そんな気持ちは、ここへ訪ねてくる人にもなんとなく伝わるものらしい。お友達が「Yさんちはカフェみたいだね」と言っては、お菓子を持ち寄って集まる。手づくりピザのパーティも盛り上がる。名古屋に暮らすご主人のご両親やご兄弟も、夏の田舎暮らしを満喫しにやってくる。

この日は警察犬の訓練学校に出かけて留守だったけど、家ができたのと同時にY家の家族の一員になったジャーマンシェパードも、きっとこの家に満足しているにちがいない。

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久しぶりに会う娘たちの成長がうれしい

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実は9ヶ月前からご主人は、中国に単身赴任している。我が家に帰ってこられるのは、1〜2カ月に1度くらい。そのたびに、二人の愛娘の成長に驚くそうだ。下の子は、ついこの間までハイハイしていたと思ったのに、もう立ちあがって歩けるようになった。上の子はすっかりお姉さんらしくなった。

取材に伺った日は、ちょうど出張で日本に戻っていらしていた。お嬢さんは二人とも、久しぶりに会えたことがうれしくて、お父さんにべったりだ。当のご主人は「向こうにいるときも、毎日インターネットのテレビ電話で話しているから、こうしてたまに会っても父親のことを憶えていてくれます」と目尻を下げる。

テレビ電話では、ご主人が出勤する前に5~10分話す。保育園のことも、家での毎日のことも、毎朝電話であんなにたくさん話してきたのに、実際にこうして会ってみるとお話のタネは尽きない。みんなが大好きなこの家に、こうして一緒にいるからだ。

そして、家そのものもご主人を歓待してくれる。「たまに戻ると、改めて家の匂いにほっとします。7年経っても木の香りがするんですよ」

室内には、奥様が好きなジャズがさりげなく流れている。食後に飲み物を持って2階に上がり、ロフトでボーっと過ごすのもいい。ああそうだった、これが我が家だったと、ゆっくりじんわりと幸せに満たされていく。

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手を掛ければその分だけいい家になる

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「単身赴任から戻ってきたら、この家をもっとカントリーっぽくしたいですね。週末を使って、少しずつ家具なんかを手づくりします。自分の家のことで、自分にできる楽しみがあるっていうのがいいんですよ。まずは収納棚づくりですね」

なるほど、調度が整えば家族は喜んでくれるし、作業している自分も楽しいし、何かが一つずつ出来上るたびに家が成長していくようで、それを見ているのも気分がいい。手を掛ければその分だけいい家になる。一度にじゃなくて、ひとさじずつ喜びを足していくのがいい。

Y邸が建つこの木々に囲まれた分譲地、最初の1軒目はこの家だった。当初は夜になっても家の明かりはここだけ。あとは真っ暗で少々心細かったという。今では全部で5軒ある。みんな薪ストーブ仲間で、同い年の子どもがいるお家があったり、家づくりや住まい方について似たような考え方をする家族もいて、ご近所付き合いも良好だ。こうして新しい人間関係が、少しずつ出来上っていくのも、この家を建てた喜びのひとつだ。

家の前に軽トラックがとまっていた。薪を運ぶために購入した自家用車だ。「軽トラがこんなに便利なものだなんて知りませんでした。日本に戻って会社に行くときも、もっぱら軽トラです」そう話すYさんは、もうすっかり田舎暮らしが板についたみたいだった。